親族についての用語
相続人の範囲を考えるとき,「直系」「尊属」など,親族関係についての耳慣れない言葉が出てきます。ここでは,親族についての用語をご説明します。
親族関係の用語
血族と姻族
血族とは,親子や兄弟姉妹など,血縁がつながっている人をいいます。ただし,養子縁組をする場合,養子と養親は,実際に血縁がつながっていなくても,血族と同一の親族関係となります(民法727条)。
姻族とは,自分から見た配偶者の父母など,配偶者の一方と他方の配偶者の血族との関係をいいます。姻族は配偶者の一方を介しての関係ですから,妻の親と夫の親との関係は姻族にあたりません。
直系と傍系
直系とは,祖父母・父母・子・孫など,血族のうち世代が直線的に連なる関係をいいます。
傍系とは,兄弟姉妹・おじおば・甥姪など,共同の始祖から枝分かれした関係をいいます。
尊属と卑属
尊属とは,父母やおじ・おばなど,基準となる人よりも前の世代にあたる血族をいいます。
卑属とは,子や甥・姪など,基準となる人よりも後の世代にあたる血族をいいます。
直系尊属とは,父母・祖父母など,世代が直線的に連なる関係にある血族のうち基準となる人よりも前の世代にあたる者をいいます。
直系卑属とは,子・孫など,世代が直線的に連なる関係にある血族のうち基準となる人よりも後の世代にあたる者をいいます。
親等と親族
親等
親等は,親族関係の遠近を表す単位で,世代数を数えて決定されます。
直系親族の場合,親等は親族間の世代数を数えます(民法726条1項)。例えば,自分から見て,父母は1親等,祖父母は2親等となり,子は1親等,孫は2親等となります。
傍系親族の場合,自分又はその配偶者から同一の祖先にさかのぼり,その祖先から他の1人に下るまでの世代数を数えます(民法726条2項)。例えば,おじ・おばは,自分から見て2親等である祖父母までさかのぼり1世代下がりますので,3親等になります。いとこは,3親等であるおじ・おばから1世代下がりますので,4親等になります。
配偶者は,血族でも姻族でもない特別な関係で,親等もありません。
親族
親族は,法律上,①6親等内の血族,②配偶者,③3親等内の姻族とされています(民法725条)。
例えば,①6親等内の血族親族には,はとこ(またいとこ)が含まれますし,③3親等内の姻族には,おじ・おばの配偶者が含まれます。
親族の範囲は広いですが,親族の方すべてが相続人となるわけではありません。
※こちらもご覧ください(相続人の範囲のページ)
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