遺言書
当法律事務所では、遺言や遺言書作成についてのご相談をお承りしております。経験豊富な弁護士が、みなさまのご意思を実現できるようお手伝いいたしますので,お気軽にご相談ください。
ちょっとした病気で入院したのを機に,遺言書を作っておこうと思い始めました。そして,いろいろな思いをめぐらせました。
「誰に何を残そうか・・・」
「介護してくれた息子の嫁に報いたいけど・・・」。
「葬儀や墓は・・・」
「残された息子や孫の生活は・・・」
「家族には生計の基盤を残したいし・・・」
「だけど,けんかの種は残したくないし・・・」
こうした思いを遺言書で残しておくことはできますか?
遺言書の書き方は法律で決められています
遺言書には,以下でお示しするとおり,いくつかの種類があり,法律で定められた要件をみたしていれば,財産や身分などについて法的な効力が認められます。
遺言書は,人が亡くなった後も財産や身分などについての意思を尊重するため,法的効果が認められるものです。そのため,遺言書の書き方や効果は法律で定められており,書き方を少しでも間違えていると,無効となってしまう場合があります。
遺言書を書く際には,ご家族やこれまでお世話になった方々に対する思いを「思いやり」として残したいものですね。こうした思いやりを実現するには,法的知識が必要となりますから,ぜひお気軽に弁護士にご相談ください。
遺言書とは
「遺言」は,法律用語では「いごん」と読みますが,「ゆいごん」と読むのが一般的ですね。
「遺言」とは,死後の法律関係についての最終の意思表示をいいます。そして,遺言をする人(遺言者)の最終の意思を一定の方式に従って書面にしたものが「遺言書」です。
人は,生きている間には,働いて財産をつくったり,子を育てたりすることが自分の意思で自由にできます。「遺言」の制度は,人が亡くなった後も財産や身分などについての意思を尊重しようとするものです。
遺言をするには
原則として15歳以上であれば,誰でも遺言をすることができます。しかし,本人の意思を確保し,変造や偽造を防止するため,遺言書は,一定の方式に従う必要があり,方式に従っていないものは無効となります。
遺言書に書く内容については,決まりはありません。しかし,遺言によって法律上の効果が生じる事項は,財産・身分・遺言執行について法律に定めがあるものに限られています。
財産 | 相続 | 相続分の指定,遺産分割の方法の指定など |
相続以外 | 遺贈(注1)など | |
身分 | 子の認知(注2)など | |
遺言執行 | 遺言執行者の指定 |
(注1)遺贈とは,遺言によって財産を他人に与えることをいいます。
(注2)認知とは,法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子(非嫡出子)について,父または母が親子関係を認めることをいいます。
遺言書の種類と作成方法
遺言には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
自筆証書遺言
自筆証書遺言はいつでも好きな時に作れる最も簡単な遺言書です。但し、法的に効力のある遺言とするためには、一定の要件を満たす必要があります。
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公正証書遺言
公正証書遺言とは、証人2人以上の立ち会いのもと、公証人が作成する遺言のことです。各地にある公証人役場にて作成するのが原則ですが、日当を負担すれば、公証人に出張してもらい自宅や病院で作成することも可能です。
秘密証書遺言
秘密証書遺言とは、遺言の内容について秘密にできる遺言です。遺言書を作成・署名押印をした上で封入し、公証役場へ持参します。そして、証人2人とともに公証人の面前で、自分の遺言書である旨等を申述する必用があります。
裁判所の検認
検認とは、法定相続人全員に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、検認時における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するために行われる手続です。
遺言書(公正証書による遺言を除く。)の保管者又はこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく家庭裁判所に遺言書検認の申立てをし、遺言書を提出して検認を受ける必要があります。また、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立ち会いの上開封しなければならないことになっています。
公正証書遺言は公証人が作成に関与していることから、家庭裁判所での検認の必要はありません。
遺言はどんな場合に必要なのか 弁護士・奥田竜子がご説明します
弁護士の奥田竜子と申します。今回は遺言についてお話ししたいと思います。
皆さんは遺言はどんなときに必要だというふうに思っておられますか。一般的には財産がすごくあって土地や預貯金、それから株なんかも山盛りある人が遺言を活用してトラブルを避ける、というふうなイメージをお持ちの方が多いのかなというふうに思いますが、実際はそういうことではないのかなと経験上思います。遺言はやっぱり死後のトラブルを最小限にするという意味では、財産の多い少ないにかかわらず、すべての人に当てはまるのかなと考えています。
加えて財産をどのように分けるのか。遺言がない場合には法定相続分、あるいは法定相続人といって一定の人に対して、それぞれ民法上決められた割合で、相続をされるというふうに決まっています。だからこういうことを避けたい。法定相続分とは違うように相続をさせたい場合であるとか、法律上に従っていると、トラブルが避けられないんだというような家族構成の場合には、遺言がとても役に立つのかなと思います。
例えば夫婦のほか、子どもさんがいない場合です。そういう場合、法定相続人は誰なのかというと、一方の配偶者、それからご自身のお父さん、お母さん。あるいはお父さん、お母さんがもうご存命でなければ、兄弟、姉妹にまでいきます。ということは、奥さまとそれからご自分のお父さん、お母さんとの間で遺産分割協議をやんなきゃいけなかったりであるとか、あるいはそれを超えてあなたのご兄弟。亡くなった、遺言を書いた本人のご兄弟と奥さんが話し合いをして、遺産分割協議をしないといけないというような状況になるわけです。協議が整わない場合には銀行はなかなか預貯金を下ろさせてくれないでしょう。そのためには親族付き合いのない遠方に住んでいる親族から、印鑑証明とか実印とかをもらわなきゃ何もできないというような事態に陥ることもあるわけです。
残された配偶者が速やかに今の生活を引き続き維持していけるように、遺言を書いておくということはとても重要になるんだと思います。
あるいは法定相続人以外に財産を分けたい場合であるとか。それから実は先妻に子どもがいて、今もずうっと小さいときに別れてしまったからどこに住んでいるのか、生きているのか、あるいはどこで何をしているのか、もう全く分からない。それだけではない、自分の存在すらその子どもは知らないかもしれないというような場合であっても、今の配偶者との間の子どもさんたちと、その以前の先妻の子どもさんというのは同列の法定相続人であるわけですから、その人を捜し出して、実はあなたにはお父さんがいて、そしてその人が実は今度亡くなって、その人には今これだけの財産があって、それを分けなきゃいけないからサインをください。あるいは実印をください。話し合いをしましょうと、いうところからスタートするという必要性が出てくることだってあるわけです。
またさらに言うと、遺言がなければ基本的には法定相続人全員の署名捺印。実印、印鑑証明等がいるんですけれども、生きているか死んでいるかも分からない、どこにいるかも分からない。そういう人がいる場合には速やかに話し合いをして、金融機関あるいは自宅の不動産の名義を書き換えるとかいうこともできないわけです。そういう煩わしさであるとか、そういう手間のかかる、時間のかかる、要は争いがないところにも争いを起こしてしまう可能性だってあるのかなと思いますから、公正証書遺言、遺言を書くことでそれらのトラブルを未然に、最低限に防ぐということができるのかなと思います。
どういう場合に遺言があるといいのかというのは、いろいろな事情やいろいろな家族構成、それから今の生活状況、健康状態、残された家族がどういう暮らしをしているのか、どういう親せき付き合いをしているのか、仲がいいのか悪いのか。そういうことが全部絡んでくるかなと思います。そこら辺りをしっかり、自分の今まで生きてきた道であるとか、今の状況であるとかを弁護士にしっかり話をし、最低限トラブルが起こらないためには、あるいは自分の築いていた財産を誰に託したいのか、それがスムーズに渡るようにするにはどうすればいいのか。そこをしっかりと整理をされて弁護士に相談し、公正証書遺言を作っておかれるといいのかなと思います。
具体事例「遺言を作っておいた方が良い場合とは?」
弁護士・奥田竜子が「遺言を作っておいた方がよい場合」について、
わかりやすく動画で解説しています。
その1:夫婦で子供がいない場合
その2:相続人のうち1人が行方不明!!
その3:家族の知らない相続人がいるかも?!
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